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松下幸之助に学ぶ

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私はこれまで若いときから人生とは何か、どのように生きたらよいか、理想の生き方はどうあるべきかを自分なりに考え、悩み、模索してきました。

そして私の生き方、考え方の指針として、主に諸先達の著書からその素晴らしい生き方、考え方、言葉の数々を心の糧として学び、人生を歩んできました。

皆様方に私が尊敬する方々の言葉を随時ご紹介いたします。今回は松下幸之助氏(1894年~1989年)です。

 

 

松下幸之助氏とは?

松下幸之助

 出典元:Wikipedia

 

松下電器(現パナソニック)を創業し、「松下連邦経営」マネジメントシステムにて世界的企業へと成長させ「経営の神様」と称されます。

数々の著書を著し、「PHP研究所」の創設や日本の将来を担う人材の育成を図る目的で創設した「松下政経塾」など幅広く活動され、大きな功績を残されました。

 

松下幸之助著「道をひらく」

1)天から与えられた尊い人生

自分には自分に与えられた道がある。天与の尊い道がある。

どんな道かは知らないが、ほかの人には歩めない。

自分だけしか歩めない、二度と歩めぬかけがいのないこの道。

広い時もある。せまい時もある。

のぼりもあればくだりもある。

坦々とした時もあれば、かきわけかきわけ汗する時もある。

この道が果たしてよいのか悪いのか、思案にあまる時もあろう。

なぐさめを求めたくなる時もあろう。

しかし、所詮はこの道しかないのではないか。

あきらめろと言うのではない。

いま立っているこの道、

いま歩んでいるこの道、

ともかくもこの道を休まず歩むことである。

自分だけしか歩めない大事な道ではないか。

自分だけに与えられているかけがいのないこの道ではないか。

他人の道に心をうばわれ、思案にくれて立ちすくんでいても、

道はすこしもひらけない。

道をひらくためには、まず歩まねばならぬ。

心を定め、懸命に歩まねばならぬ。

それがたとえ遠い道のように思えても、

休まず歩む姿からは必ず新たな道がひらけてくる。

深い喜びも生まれてくる。

 

引用:「道をひらく」より

 

2)自在な心で決意・断行

ひろい世間である。

長い人生である。

その世間、その人生には、困難なこと、難儀なこと、苦しいこと、つらいこと、いろいろとある。

程度の差こそあれだれにでもある。

自分だけではない。

そんなときに、どう考えるか、どう処置するか、それによって、その人の幸不幸、飛躍か後退かがきまるといえる。

困ったことだ、どうしよう、どうしようもない、そう考え出せば、心が次第にせまくなり、せっかくの出る知恵も出なくなる。

今まで楽々と考えておったことでも、それがなかなか思いつかなくなってくるのである。

とどのつ まりは、原因も責任もすべて他に転嫁して、不満で心が暗くなり、不平でわが身を傷つける。

断じて行なえば、鬼神でもこれを避けるという。

困難を困難とせず、思いを新たに、決意をかたく歩めば、困難がかえって飛躍の土台石となるのである。

要は考え方である。

決意である。

困っても困らないことである。

人間の心というものは、孫悟空の如意棒(にょいぼう)のように、まことに伸縮自在である。

その自在な心で、困難なときにこそ、かえってみずからの夢を開拓するという力強い道を歩みたい。

 

引用:「道をひらく」より

 

松下氏が言うように、人にはそれぞれの人生があります。与えられた天命があると考えられます。

自分が選んだ道ならば、平坦な道ではなくても、歯を食いしばって困難を乗り越えて生きていくことにこそ意味があると認識すべきでしょう。

 

松下氏は、 経営者としての鋭い感性、数々の難局を切り抜けてきた体験から、深みのある発言をされています。

人生や仕事、経営や国家・社会に関する英知と洞察にあふれることばは私どもの心の支えとなり貴重であると考えます。