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リーダーシップのあり方

リーダーシップ

第32回夏季オリンピック東京大会は8月8日夜、閉会式を行い、17日間の日程を無事に終えることが出来ました。

国内で新型コロナウィルスの感染が爆発的に拡大する中、選手に厳しい行動管理を課し安全を確保しながら、実力を最大限発揮してもらうことに関係者一同が努力した大会でした。

選手たちが精一杯頑張る姿に感動しながらテレビを視聴して、感じたリーダーシップのあり方を取り上げます。

 

目次

 

1964年の東京大会

1964年の東京五輪で私が特に印象に残っているのは、大松博文監督率いる女子バレーチーム「東洋の魔女」が駒沢屋内球技場(東京都世田谷区)で行われた決勝戦で宿敵ソ連を破った一戦です。

閉会式の前夜行われたこの戦いは、視聴率66・8%と全国を沸かせました。この視聴率は、今も日本のスポーツ中継での最高記録として破られていないそうです。

大松監督はレシーブに重きを置き、秘密兵器「回転レシーブ」の猛練習を彼女ら選手に強制しました。

「俺についてこい」の著書もある大松は、世界一になる目標を達成しようと熱い思いと愛情を注ぎこんで彼女らを指導し、世界一の座を獲得しました。

 

指示命令型コミュニケーション

今から50年以上前の1967年に社会人類学者中根千枝の著書「タテ社会の人間関係」は日本的な社会構造を指摘した当時のベストセラーです。

「ウチの者」と「ヨソ者」の意識、「タテ」組織による年功序列の発達などが、上司と部下の人間関係を規制する集団の構造的特色です。

 

そこで行われるコミュニケーションは、上からの指示命令型、強制型、一方向、指導型となっています。上意下達が一般的でした。

当時は上からの命令に従い逆らわない、意見があっても言わないで我慢することが美徳、当たり前のことと認識され、根付いていました。

このコミュニケーションによるリーダーシップは、組織を統率するにあたり、利点がありましたが、次に述べるような欠点もあります:

 

指示を受ける側は、受動的、指示がなければ動かない、他動的、自発的に動かない指示待ち族になってしまいます。

部下はやらされ感が強く、意欲もわかずに行動します。その結果がよくなくても、それは指示を出した上司の責任で、自分に責任はないと考えます。

これまで一般的であったコミュニケーション方式は、非効率な業務遂行になっていたと言えます。

 

新たなコミュニケーション方式の登場

今から20年前ごろから導入されたのがコーチングという方式です。

それは若い世代の人間関係に関する意識が変化してきたことによるものです。仕事にやりがいや納得感を求めます。

彼らは幼い時から個人として尊重されて育ってきましたので、一方的に仕事を上から押し付けられる扱いに不満を感じます。

 

コーチングとは、相手が望んでいる目標があり、その目標を自ら達成することが出来るように、相手の持っている個人的な特性と強みを活かして、相手がその能力と可能性を最大限に発揮することを目的として、相手を自ら考えさせ行動を促すために相手の取るべき手段を引き出すためのコミュニケーションサポート(支援)と定義されます。

そこでの上司と部下の人間関係は上下関係ではなく、一緒に仕事をしていくパートナー、共生的人間関係であり、質問をしたりほめたりして、双方向でのコミュニケ―ションにて課題に自ら自発的、能動的に取り組んでもらいます。

 

相手を育てるコミュニケーションツール、相手を支援するコミュニケーションサポート、そして相手を前向きにするモチベーションツールとして活用が期待されています。

今日、チームで成果を出すことが求められています。リーダー力強化とチーム作りが企業の重要テーマになってきています。若手とベテランで構成される多様性(ダイバーシティ)に富むチームを動かすリーダー力が必須になっています。

今までは提案を見合わせていたような自由な発想を、口に出しやすくなり、建設的なアイディアが増えれば、チームの成果の向上につながります。

効率的な働き方によって、成果が上がれば、上司も恩恵にあずかれます。

 

これからのリーダーの必須要件

これからのリーダーの必須要件は、次の通りです:

チームメンバーへの共感と尊敬の念が欠かせません。メンバーそれぞれが異なる資質を持ち、それらを引き出すことによって、チーム全体で導く成果が大きくなるという意識が大切です。

傾聴力:部下の提案・報告を話の途中でさえぎらず、最後まで「他人の話をよく聴く」こと。私どもは自分の思いをしゃべりたいという気持ちが強いです。聴くモードよりも発言モードになっています。

従って、相手の話を真剣に聞いてあげると、相手に好感を持たれ、相手に受け入れられるようになり、信頼関係もつくれるようになります。「聴き上手はお話し上手」です。

誉めること:部下の提案に対して、「いいね。よくできたね」などとほめることが大切です。その意見を活かす方向で、「こんな考え方もあるよ、参考にして」と自分の見方を言い添えるようにして、部下の理解・納得を得られるようになります。

あせらず時間をかけてリーダーと部下の信頼関係の構築を図っていくことが重要です。

70歳現役実現のためには、「成長を続ける努力」が必要:「個からチームへ」という働き方改革が進んでいます。急速に変化している状況に遅れずついていくには、常に持っている能力を向上させていくことが必要です。

東京五輪大会を視聴して、選手の皆さんが厳しい練習を積みあげて、実力をつけ記録のアップにつなげ、そして大会でのよい成績を可能にしたと、たゆまぬ努力の大切さを改めて学び、勇気ももらいました。