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新型コロナウィルス第6波への対応は?

海外の新型ウィルス累計感染者数は2億4802万人、死者数502万人に達しています。11月1日の東京の新型コロナウイルス感染者数は9人。

1年5カ月ぶりの1桁に安堵感を覚えます。東京で1日5000人超えという今夏の爆発的感染状況からすれば、この急減がどうして起こったのか、非常に興味を引きます。

海外では10月下旬から感染者数と死者数が増加に転じ、ロシアなどでは深刻な状況が続いています。

10月28日、WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長は「パンデミック収束は程遠い」と警戒を呼びかけました。

日本における第5波が急速に拡大し、その後、急速に収束した要因は何であったのでしょうか?「感染者急減の理由」について調べてみました。

 

目次

尾身茂会長の会見

「第6波に備えるには、なぜ感染が急拡大し、急激に落ちたかの分析が非常に重要だ」。新型コロナ対策分科会の尾身茂会長は9月28日の記者会見でそう述べ、仮説として急減理由に5つの要因を挙げた。


①危機感 各自が感染対策?
第5波の1日の感染者数のピークは全国で2万5800人超。東京都は8月13日に5700人超を記録した。医療が逼迫(ひっぱく)し、治療が受けられず自宅で亡くなる例が次々と報道された。「深刻な医療逼迫がマスコミを通して一般に発信され、人々が危機感を高め、感染対策に協力してくれた」(尾身氏)

②夜の街 若い世代が避けた?
感染爆発を受け、政府は夜の繁華街の人出の5割削減を要望したが、2、3割の減少にとどまった。それでも大きな効果があった可能性がある。夜の街の人出の年齢構成から、ワクチンを打っていない若い世代が、意識して夜遊びを避けたとの見方だ。

③ワクチン 接種率向上の効果?
①、②の説では説明ができない数字もある。1人が何人にうつすかを示す全国の実効再生産数が1.4とピークを迎えたのは7月下旬。新規感染者数のピークの1カ月近く前で、ワクチン接種回数が7000万回を超えた時期と重なる。接種率向上が実効再生産数を下げた可能性がある。ただ、尾身氏は「自然感染した人も一定程度いるので、抗体保有率の厳密な調査が待たれる」と見通す。

④クラスター 高齢者守られた?
これまでの感染は、まず若者に広がり高齢世代に移った。1月の第3波ではクラスター(感染者集団)に占める高齢者施設の割合は4割近かったが、今回は10%前後。医療機関のクラスターも2月の最大値30%が5%ほどだった。ワクチン接種に加え、院内の感染防止策が徹底されて高齢者が守られ、若い世代の感染にとどまったとの指摘もある。

⑤気候 換気や降雨が影響?
「なかなかこれは証明は難しい」としつつ、尾身氏は気温や降雨に言及。気温が下がり、空調を効かせた部屋の窓を開放し換気がよくなったことや、雨が多く外出機会が少なかったことが関係したかもしれない。


5つは急減要因として考え得るが決定打とまでは言えない。厚生労働省の担当者は「急減理由が分からないと言うと不安をあおる。

定量的にどの要因の割合が高いかは分からないが、人々の行動変容とワクチンの2つが合わさり減少した。外国に比べ、日本人の感染予防への意識の高さが大きく寄与している」と分析する。

引用元:東京新聞 TOKYO Web

 

いずれにしろ、何が感染急減に最も貢献した要因かを探ることが必要です。今後やって来ると思われる第6波へのリバウンド(感染再拡大)を防ぐには、感染過程とウイルスの特性の解明が不可欠と考えます。

 

コロナ第5波収束の一因

研究チームが考える酵素の変化がウイルスに与える影響

研究チームが考える酵素の変化がウイルスに与える影響 出典元:東京新聞 TOKYO web

国立遺伝学研究所と新潟大のチームが、「新型コロナウイルスの流行「第5波」の収束には、流行を引き起こしたデルタ株でゲノム(全遺伝情報)の変異を修復する酵素が変化し、働きが落ちたことが影響した可能性がある」との研究結果を10月に開かれた日本人類遺伝学会で発表しました。

「8月下旬のピーク前にはほとんどのウイルスが酵素の変化したタイプに置き換わっていた。このウイルスではゲノム全体に変異が蓄積しており、修復が追いつかず死滅していったのではないか」と同研究所の井ノ上逸朗教授は指摘します。

 

酵素「nsp14」とニューヨーク大学の見解

ニューヨーク大学は、①ウイルスが変異を起こし過ぎると感染力と複製力が低下すると予想。②ウイルスは今後も感染拡大を繰り返し、最終的に普通の風邪のような状態になると推測しています。


ハーバード大学院卒で近著に「元WHO専門委員の感染症予防BOOK」(三笠書房)がある医学博士の左門新氏による解説。

「ウイルスが変異するとき変異を修復して元に戻す酵素が存在しますが、この酵素はウイルス内の遺伝子によって作られる。この遺伝子が変化すると酵素も変異し、その結果、酵素が本来持っていた修復能力が働かなくなるとの理論です。その酵素がnsp14で、修復が阻害されたためウイルスが死滅したのではないかと研究者が推測しているのです」

ニューヨーク大の理論には2つの裏付けがある。①度重なる変異によってウイルスの毒性が強まると、感染した人などが死に、ウイルス自体も一緒に死滅する(自然淘汰)②毒性が強いと人間がワクチンなどの対策を強化するため、毒性の弱いウイルスのみが生き延び風邪の状態になる(適者生存)。

こうした理由でウイルスの脅威が収まるという。

引用元:YAHOO!ニュース

 

デルタプラス

ワクチン接種率7割を超える英国は新規感染者数が4万~5万人と再び感染が拡大中です。保健当局が警戒を強めているのがデルタ株から派生した「デルタプラス」です。

デルタ株より10~15%感染力が強い可能性を指摘する専門家もいます。急速に拡大し、すでに感染者の10%を占めるといいます。

「感染力が強い変異株が先行株に置き換わるケースは日本の第4波、第5波でも起きました。デルタプラスが第6波の流行の主流になる可能性は否定できません」(医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏)

引用元:日刊ゲンダイDIGITAL 10月26日


英国でデルタプラスがシェアを伸ばしていった場合、日本の水際対策を強化して食い止める必要があります。アルファ株やデルタ株では政府は何もしませんでした。

松野官房長官はさらなる水際緩和に前向きな意向を表明していますが、デルタプラス次第で規制強化へと方向転換する必要が出てきます。

 

ブースター接種

世界で最も早くワクチン接種を実施したイスラエルでは、効果が薄れるのも早かったようです。夏に感染が再拡大し、致死率も上昇しましたが、大急ぎで3回目接種を進めた結果、致死率は大幅に低下したといいます。

「イスラエルは感染者数よりも致死率を重視しているようです。時間が経過し、ワクチンの効果が低下することで高齢者や基礎疾患持ちの人は死に至ると察知して、イスラエルは5月ごろ、ブースター接種に踏み切りました。現在、日本ではワクチン接種に余裕が出てきている。死亡リスクの高い人に対して、すみやかに3回目接種を行わないと、手遅れになります」(上昌広氏)

引用元:日刊ゲンダイDIGITAL 10月26日


政府は年内に医療従事者、年明けに高齢者を対象に3回目接種を始める方針ですが、第6波に間に合うのかどうか、心配されます。